日々の予定は、だいたいスマホのカレンダーで管理している。
打ち合わせ、納期、買い出し、ジム、歯医者の予約。
仕事でもプライベートでも、やるべきことはきちんと押さえておくのが僕のスタイルだ。
でも、ある時ふと気づいた。
どれだけ予定通りに動いていても、1日が終わったときの満足感が薄い日がある。
達成感じゃなく、どこか「こなしただけ」という感覚。
やるべきことは済ませた。
でも、やりたかったことには触れられていなかった。
そんな日はなんだか味気なかった。
TODOじゃないメモを持つという発想
それ以来、スケジュールとは別に「やらなきゃいけないことじゃないけど、やりたいと思ったこと」をメモに残すようにしてみた。
・SNSで見かけたレシピ
・読みかけの本の続き
・行きたいと思っていたカフェ
・もう一度観たいと思っていた映画
・服のほつれを直す(でも急ぎではない)
思いついたときに、スマホのメモアプリにポンと書いておく。
ルールはひとつ。
「いつまでにやるか」は決めない。
あくまで「思い出せるようにしておく」ためのもの。
やらなくても怒られないし、やらなくても困らない。
でも、やったらちょっと気分が良くなるようなことたち。
暮らしに余白があると、モードが切り替わる
この「やりたいことメモ」を始めてから、空き時間の過ごし方が変わった。
15分あいたからSNSを眺める、ではなく、この前メモしてたあれ、今できるかもという選択肢が増えた。
やることが明確なわけじゃないけど、気持ちの方向があると、行動にも温度が出る。
なにかに急かされて動くんじゃなく、自分で選んで動く感覚。
それがあるだけで、1日の中にちょっとした余白が生まれた気がする。
このメモを振り返るたびに、
自分が「やりたいと思ったこと」に、ちゃんと向き合えているかを見直せるのもいい。
タスク管理と違って、感情や好奇心に近いし。
やるべきことをこなすだけじゃ、暮らしは整わない
日々の中で「やらなきゃいけないこと」は次から次に出てくる。
それをこなす力ももちろん大切だけど、
やりたいことを後回しにしすぎると、だんだん自分の感覚が鈍くなっていく気がする。
「今やらなくてもいいけど、ちゃんと覚えておきたいこと」をメモしておく。
その習慣があるだけで、
忙しい毎日の中でも、自分のペースを思い出せるようになった。
メモに残したまま、しばらく動かないこともある。
でも、思い出せるというだけで、なぜか気持ちは整う。
やりたいことをすぐ全部やらなくてもいい。
でも、やりたいと思った自分をちゃんと拾っておく。
その積み重ねが、暮らしの余白を守る方法のひとつなんだと思う。